SCALP AND HAIR CARE
髪の作り方、育て方、付き合い方

髪や頭皮の変化が気になった時、何か一つの商品だけで考えず、サロンケア・毎日のホームケア・生活習慣の3つに分けると、今できることを選びやすくなります。
01 / YOUR CONCERNS
サロンでよくうかがうこと
年齢のせいか、髪が細くなってぺたんとしてきた。昔のように、ふんわりさせたい。
カラーを続けているので、頭皮への負担が気になる。
どちらも、とても多くいただくご相談です。髪は、シャンプーだけで決まるものではありません。食事・睡眠・頭皮の状態・毎日のケア、その積み重ねで育っていきます。ここでは、今の時点で「言えること」と「まだ分からないこと」を、正直に分けて書いています。
02 / FIVE FOUNDATIONS
髪が育つ、5つの土台
FOOD
食事 — 髪の材料を作る
髪の主成分は、ケラチンというタンパク質です。頭皮の奥で毛母細胞が、血液が運んできた栄養を材料に、新しい髪を作り続けています。特別なものを足すというより、欠かさないことが大切です。
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髪の約8割はケラチンという硬タンパク質で、18種類のアミノ酸、なかでもシスチンを多く含みます。毛穴の底にある毛乳頭には毛細血管が入り込んでいて、そこから受け取った栄養で毛母細胞が分裂し、髪になります。
| 栄養素 | 分かっていること | 多く含む食品 |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 髪の主成分。極端な食事制限のあと、数か月遅れて抜け毛が増えることがあります | 肉・魚・卵・大豆製品 |
| 鉄 | 不足と女性の抜け毛の関連が、複数の研究で報告されています | レバー・赤身の肉や魚・小松菜 |
| 亜鉛 | 欠乏症で脱毛が起きること、補うと戻ることが分かっています | 牡蠣・牛肉・ナッツ |
| ビタミンB12・葉酸 | 赤血球をつくるのに必要な栄養素です | 貝類・レバー・緑黄色野菜 |
大切な但し書きが2つあります。ひとつは、足りない方が補うと戻ることはあっても、足りている方がさらに多くとると増える、という証拠はないこと。もうひとつは、ビタミンAやセレンのように、摂りすぎるとかえって抜け毛の原因になるものがあることです。サプリメントをお使いでしたら、お聞かせください。
東洋医学には「髪は血余(けつよ)」— 髪は血の余り — という古い言葉があります。現代の言葉にするなら、髪は血液が運んでくれた栄養を材料にして作られる、ということになります。
SLEEP
睡眠 — 体が回復する時間
睡眠と髪の関係は、いま研究が進められている途中の分野です。「何時に寝れば」と決めつけず、疲れが取れているかどうかから見直します。
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29の研究をまとめた系統的レビューでは、抜け毛でお悩みの方に睡眠の問題が多いと報告されています。ただしそのレビュー自身が、現在の研究では因果関係を証明できないと述べています。「眠れないから抜ける」のか「気になって眠れない」のか、区別がついていないためです。
いわゆる「22時から2時が髪のゴールデンタイム」という説も、睡眠医学では支持されていません。大切なのは時刻ではなく、寝入りばなに深く眠れているかどうかだと考えられています。
一方で、はっきりしていることもあります。出産後、高熱のあと、手術のあと、強いストレスのあとなど、体に大きな負担がかかった二、三か月後に抜け毛が増えることがあります。休止期脱毛と呼ばれるもので、多くは一時的です。心当たりの時期があれば、教えてください。
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人の睡眠時間を6時間以上を目安としています。これは健康全般の推奨で、髪のための基準ではありません。
EXERCISE
運動 — 体を整える
「運動で血行がよくなって髪が増える」とよく言われます。正確にお伝えすると、その根拠はまだありません。それでも、体調が整うことは髪の土台になります。
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運動によって毛細血管が増えることは、運動生理学ではよく知られた現象です。ただしそれは、動かしている筋肉について調べられたものです。頭皮でも同じことが起きるという研究は、見当たりません。
もうひとつ、誤解されやすい点があります。男性型・女性型の薄毛の主な原因は、遺伝とホルモンの影響であり、血行不良ではありません。「血行が悪いから薄くなる」という説明は、原因を取り違えています。
ですから、髪のために運動をしましょう、とは申し上げません。散歩や軽い体操など、続けられるものを無理のない範囲で。それで十分だと考えています。
SCALP
頭皮ケア — 育つ場所を整える
頭皮ケアは、髪を生やすためのものではなく、髪が育つ環境を整えるためのものです。汚れや炎症、乾燥を放っておかない。日焼けから守る。それだけでも意味があります。
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シャンプー。頭皮を清潔に保ち、かゆみや炎症を起こさせないこと。ここははっきりしています。フケやかゆみに薬用成分がきちんと効くことも分かっています。一方で、シャンプーで髪が生えるという根拠はありません。
頭皮マッサージ。続けた方の髪が太くなったという報告があります。ただし9名を対象にした小規模な研究で、比較のためのグループも置かれていません。「そういう報告がある」以上のことは、まだ言えません。
紫外線。見落とされがちですが、頭皮も皮膚ですから日焼けします。特に分け目は無防備です。紫外線が毛穴に負担をかけることは実験で示されていますが、日焼け対策で薄毛を防げるという試験はまだありません。それでも、肌を守るという意味で帽子や日傘はおすすめしています。
HORMONE
AGA・FAGA — 別の要因
生活やケアとは別のところに原因がある薄毛もあります。ホルモンと遺伝によるもので、医療機関で診断と治療ができます。サロンのケアで治すものではありません。
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男性は生え際や頭頂部から進むことが多く、女性は分け目を中心に、地肌が透けて見える範囲が少しずつ広がっていくことが多いといわれます。生え際は保たれることが多いのが、女性の特徴です。
日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、有効性が確かめられた治療法が示されています。ただし内服薬のなかには、女性には使ってはいけないとされているものもあります。自己判断で入手なさらず、医療機関でご相談ください。
私たちにできるのは、変化に早く気づくことです。分け目の幅やつむじの見え方は、定期的にお会いしているとよく分かります。
このページで参考にした資料
- 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」
- Almohanna HM et al. The Role of Vitamins and Minerals in Hair Loss: A Review. Dermatol Ther (Heidelb). 2019(栄養素と脱毛の総説)
- The Intersection of Sleep and Hair Loss: A Systematic Review(睡眠と脱毛、29研究の系統的レビュー)
- Koyama T et al. Standardized Scalp Massage Results in Increased Hair Thickness. ePlasty. 2016(頭皮マッサージ、9名)
本文の内容は、これらの資料をもとにしています。書かれていることの確からしさには幅がありますので、はっきりしていること、まだ分かっていないことを、本文中で分けて書くようにしました。診断や治療については医療機関へご相談ください。
03 / SALON CARE
サロンでできること
土台のうち、食事・睡眠・運動はご自身の生活のなかにあります。私たちがお手伝いできるのは、頭皮の状態を整えることと、生えてきた髪を扱いやすくすることです。
HEAD SPA
頭皮スクラブ&ヘッドスパ
ぺたんとしてきた、カラーで頭皮が気になる — そんな方へ。
スクラブで古い角質と皮脂汚れを落としてから、クレンジングクリームをなじませ、あたためながらゆっくりほぐしていきます。発毛を約束する施術ではありません。
施術の中身をくわしく
はじめに使うスクラブには、ラベンダーとミントを配合しています。強くこすらず、頭皮の状態を見ながら進めます。
そのあとのクリームは油性です。シャンプーの泡では落ちきらないスタイリング剤や、酸化した皮脂を、油でやわらかく浮かせて落とすためのもの。シリコンは使っていません。ラベンダーの香りがほのかに残ります。
頭皮の状態は季節でも変わりますので、そのときの様子を見ながら加減します。夕方のベタつき、ニオイ、スタイリング剤の残る感じが気になる方に向いています。
頭皮に傷・はれもの・湿疹などがあるときは施術をお控えいただきます。
SCALP TONIC
頭皮用トニック
サロンで整えた状態を、次にお会いするまで保つために。
ベタつきが気になる方と、乾燥が気になる方では、必要なものが逆になります。二種類ご用意していますので、どちらか分からないときは頭皮を見せてください。その場でお選びします。
二種類のちがいをくわしく
- 薬用レラトニック P&C(医薬部外品/245ml・125ml)— 育毛、発毛促進、脱毛の予防、フケ・かゆみを防ぎます。有効成分としてビタミンB6、L-メントール、D-パントテニルアルコールを配合。汗や蒸れによる頭皮のベタつきが気になる方へ。
- パルガ・スカルプローション S&E(120ml・30ml)— 弱酸性・無香料・無着色。センブリエキス、ビワ葉エキスなど10種の植物エキスを配合し、紫外線や乾燥から頭皮を守りながら、フケ・かゆみを防ぎ、うるおいを与えます。カラーのあとや、冬場の乾く時期に。
頭皮へ使う製品は、表示された量と使い方をお守りください。赤み・かゆみ・刺激が出た場合は、いったん使用をお止めください。
04 / HOME CARE
家で続けること
サロンでできることは、月に一度か二度です。残りの日々をどう過ごすかのほうが、実は影響が大きいと考えています。増やすより、合わないものをやめるところから。
シャンプー
洗う回数だけでなく、お湯の温度、洗い方、すすぎ、乾かし方まで含めて合う形を探します。頭皮の状態は季節で変わりますので、同じものを一年中使い続ける必要もありません。
アウトバス
タオルドライ後の髪へ使い、乾燥や摩擦から毛先を扱いやすくするケアです。頭皮用でない製品は地肌へつけません。
05 / HOW TO CHOOSE
今の状態に合わせて、必要なことだけ選ぶ
サロンで一緒に確認できること
- ベタつき・乾燥・ニオイ・かゆみが気になる時期
- カラーやパーマの履歴と、頭皮の感じ方
- 今使っているシャンプー、トニック、アウトバス
- 朝のセット時間と、次回来店までの扱いやすさ
06 / FAQ
よくある質問
ヘッドスパをすると髪が生えますか?
ヘッドスパは頭皮の汚れやベタつきを整え、リラックスして過ごすためのサロンケアです。発毛を保証する施術ではありません。急な抜け毛や脱毛がある場合は医療機関へご相談ください。
トニックとアウトバスは、どう違いますか?
トニックや頭皮用ローションは頭皮へ、アウトバスは主にタオルドライ後の髪へ使います。製品ごとの表示を確認し、用途に合った場所へ使います。
シャンプーは毎日したほうがいいですか?
皮脂量、汗、整髪料、季節、頭皮の状態で合う頻度は変わります。回数だけでなく、お湯の温度、洗い方、すすぎ、乾かし方も一緒に確認します。
何から始めればいいか分かりません。
今いちばん気になることと、普段使っている物を一つ教えてください。商品を増やす前に、洗い方や乾かし方、必要ならサロンケアを整理します。
カラーを続けていますが、頭皮への負担が気になります。
白髪染めを長く続けていると、頭皮の感じ方が変わってくることがあります。染める間隔、根元だけにするかどうか、明るさをどう決めるかで、負担のかかり方は変わります。染め方そのものの考え方は白髪ボカシのページにまとめていますので、よろしければあわせてご覧ください。頭皮の状態を見てからご相談いただくのがいちばん確実です。
CONSULTATION
髪と頭皮の今を、
一緒に整理できます。
スパか商品か決まっていなくても大丈夫です。気になる状態と、今使っているケアをそのままお伝えください。